暇つぶしに散歩3
部屋の隅の真下に弥生式時代の村を区分する溝である環壕があったのだ。
環壕の跡は一般コーナーの本棚の下をくぐり、丸いテーブルがあるヤングコーナーの横を通り、レファレンスコーナー隅の壁に消えている。
だが、ここでお終りではない。
環壕は事務室、給油室、マルチパーパスとつづき、視聴覚室にのびていた。
図書館の人が「子供会があるので椅子が置いてありますけれど」と言いながら、視聴覚室をわざわざ開けて中を見せてくれた。
ここのカーペットの全体の色は空色で、環壕跡は茶色になっていた。
私は面白がっているのに図書館の人はそれほど面白そうではない。
カウンター横には展示コーナーがある。
遺跡発掘のときの写真とパネルが貼って壁にかかっている。
ガラスのケースの中には出土品を復製した土器など二点が並んでいる。
窓の外はうす茶の芝生の生える小さな公園のようなものがある。
葉を落とした木と外灯が建ち、木のテーブルも置いてある。
その中に、遺跡を復元した住居跡が二つ見えた。