パリパリ その6
ひどく決まりが悪かった上に、Rがその後インタビューが予定されている美容界の大御所、ムッシュAになにごとかをフランス語でささやいたその様子が、いかにも私の失礼を弁解するような感じにみえ、おまけに私はあいていた最後の席、つまりムッシュAの隣に座らされてしまった。
70はゆうに超えているであろうムッシュの食卓に置かれた両手はシミだらけで、それが熱に浮かされた私の目にはただただ薄気味悪いお化けのようだった。
前菜は何だったか覚えてもいない。
メインが確かカモで、デザートはクレーム・ブリュレだったような気がします。
もちろんワインとチーズもありました。
3つ星だろうが何だろうが、そんなことはもうどうでもよかった。
妙な英語で「いかがですか」とムッシュAに尋ねられれば「本当に美味しいです」と答えるしかないではないでしょうか。
しかも私の向かいでは私がちゃんと食べているか、Rがコワイ目を光らせていたのです・・・。