パリパリ その5
「フランス人は少々の熱があったくらいで大切な仕事のアポイントをすっぽかしたりしません」
その台詞がまったく事実とかけ離れていることを後に私はこの目で何度も確認することになるが、当時はそんなことを知る由もなく、「Rロフランスの権威」、すなわち逆らうことは不可能であったから、私は文字通り泣きそうになりながら、それでも服に着替え、這うようにして階下に降りタクシーをつかまえてRが指定した場所、マドレーヌ広場に面する3つ星のレストラン、ルカ・カールトソへと駆けつけたのでした。
二階の個室に案内されていくと、そこには既に全員が揃って遅刻老の私を待っている、という図でした。